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再び実家へ帰って来た。こんなに慌ただしい帰省は今までになかったかもしれない。実家の祖父が倒れたと数日前に連絡を受け、今その容態が思わしくないという。横浜での用事を全てキャンセルし、急遽戻る事にした。帰りの新幹線は今までよりひどく長く感じられ、名古屋に着く頃にはぐったり疲れてしまっていた。
午後七時の面会時間までにやるべき事を済ませると、その足で国立病院に向った。ICUと呼ばれる集中治療室で、おじいちゃんは治療を受けていた。口には太い管が取り付けられていて、何もしゃべれず、苦しそうに息をしていた。目はずっと開いていて、時々意志のある目をしてこっちを向いてくれるけど、最後まで私と分かってくれたかどうかは分からなかった。母は隣で肩をさすったり、手を握ったり、優しく声をかけたりしながらおじいちゃんと接しようとしていたが、私はただぼうっと横に立ったまま、何もする事ができなかった。何をしていいか分からなかった。面
会時間の30分間、私は何をする事もなくただおじいちゃんを見つめ続けた。
家に帰ってからも、家族からおじいちゃんの影が消える事はない。ご飯を食べても、話していても、昔の写
真を見てバカ笑いしていても。特に父がふらっと散歩に出かけてなかなか帰ってこないと、無性に不安になる。普段びっくりするほど無神経なあの人も、今は辛いのだろうか。
私の気持ちは‥自分でもよく分からない。離れている時は、自分でも不思議なほど冷静でいられたり、おじいちゃんを忘れて外へでかけることもできた。でも、今日機械に繋がれて、それでも生きるために必死に息をするおじいちゃんを見て、生きて欲しい、と思った。寝たきりの状態で、言葉もでないけど、「生きたい」っていう意志は、刺さるほど伝わってくる‥。こんなに生命力のある人ってなかなかいない。そう、強く感じた。
がんばって、生きれっ。
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