Piping Hot


試演会  2004.7/22

 プロコのソナタを弾いている。なんて言うと、音楽に精通している人には一発で分かるが、そうでない人には宇宙語なんだろうか。実技試験を一週間後に控え、その度胸試しとも言うべく、同じ門下生どうしでの試演会が行われた。私が弾いたのはプロコフィエフのピアノソナタ第三番。本日の演奏は、弾き終わった後に、聴いてる人の同情票が集まるトホホな出来栄でした。

  この曲は冒頭がものすごくカッコよくて、「地面を貫くような鋭い響き」でキメる予定だったのに、出てきたのは、なんとも貧弱で栄養失調のような音に、弾いてる本人が一番びっくり。始まってしまったからには続けるしかないので、とりあえず弾き進める。しかし、どこかぎこちない、安定しない感じが絶えず、でもそれを聴いてる人に悟られちゃ不味い、と演奏そっちのけで平静な振りを装う事に必死な私。

 しかし、その歪みがはっきりと聴いてる人にも分かる出来事が起こった。なんと、右手と左手がズレているではないですか!とてもダサイことになってしまった。それでも、そんなこといちいち気にしてられないので、前半の激しい箇所が早く過ぎるのを待って、 どうにか落ち着いた部分へ突入。 演奏中は、「過ぎた失敗は、忘れる。」の神業的前向き思考が肝心である。

 その後、細かいミスはちょこまかあったにせよ、記憶の限り、順調に進んだはず。本当の悲劇は、最後の最後に起こりました。だいぶ集中力も散漫になり、「ヤバいなァ‥」と思っていた矢先、クライマックス部のちょうど最後から二番目の音で、「あれ、この曲何調だっけ?」と思った瞬間、もう大変。右手と左手総動員で、半音下がった和音を輝かしく弾き切ってしまった。そんなオチは狙っても 出来ない、ってぐらい間抜けな和音が部屋中に響き渡る。もう修正するにも誤魔化すにもあと一音しか残ってないので、さっきの音はまるで無かったかのような顔をして、最後の音を弾き、無事終了。

 そんな重態な演奏でも、寛大な我が師は、「いいのよ、それで、それでいいんです。良い方向で曲作ってます。まだ途中ってだけで・・」という、とても優しい言葉をかけてくださった。「あなたは室内楽があったからね、、」と、みんなにも聞こえる大きな声で言ってくれた気づかいも、嬉しかった。けど、そんなのは自分の中で言い訳にならないんです先生、、と心の中で思った。

あと一週間で、奇跡起こしてみせる!
(ってか起こすしかないじゃん。笑 )





top